賃貸契約とはお金のかかるものです。
初期費用には敷金や礼金が必要で、礼金は無い物件を選び、敷金はいずれ返ってくるものと考えても、その他仲介手数料や日割り分の家賃なども支払わなくてはなりません。
地域差はありますが、賃貸契約の際には約50万円ほどかかると考えておかなくてはならないのが一般的な見解です。
賃貸契約の期間は大抵2年となっているので、2年経つごとに自分の生活に合った理想の物件を探しては引っ越す人もいますが、初期費用の高額さを考えるとなるべくならひとところに留まっていたいもの。
ですが、一人暮らしの大学生の中には、短期間における複数回の引っ越しを余儀なくされる人もいます。
例えば、東京など都市部の大学の場合、同じ大学でもキャンパスが別れていることがあります。
大都市では広い土地をなかなか確保できないためでしょうか。
そのため、大学は同じなのにある学部は東京23区内に、またある学部はその外側に、なんてこともあるようです。
ただ、学部によって別れているだけならまだしも、学年によって別れている場合もあります。
1,2年時、3,4年時とで通うキャンパスが異なるということ。
となると、生活するための賃貸物件を学年によって変更する必要が生じ、再度契約を結ばなくてはならないこともあるのですね。
もともと実家から通っているのであれば、キャンパスが遠くなっても通学費用が多少高くなるだけです。
しかし、一人暮らしをしているとなると家賃に加え通学費もかかってしまうことになるので、そんなことなら近いところへと引っ越してしまった方がマシ、ということに。
「保証人になんてなるもんじゃない・・・」
巷ではそう囁かれています。
ローンといった借金の保証人に関しては特にそうですよね。
どんなに信頼できる友人の頼みであっても、お金の問題というのは他人の人生をも破壊してしまう可能性がありますから、保証人なんて出来る限り避けたいものです。
借金に関してはそうですけど、では賃貸契約の連帯保証人に関してはどうでしょうか?
賃貸契約の場合、保証人ではなく「連帯保証人」。
この言葉の違いに注意してください。
保証人の場合、保証する内容は特に定められていません。
しかし、連帯保証人の場合は、賃貸契約の当初から何を保証するかが定められています。
保証の内容は、すなわち契約者が家賃を払えない場合に代わりに払ってあげたり、水道光熱費の支払いに滞納があればそれも代わりに支払ったり、故意や過失による部屋の破損があればその責任を負ったり・・・
このように意外にも多くの責任が連帯保証人に課されるのです。
学生の一人暮らしや新社会人の独り立ちであれば、たいていなら連帯保証人は親が引きうけることになるでしょう。
学生だと契約者になれない場合がありますが、そんなときは入居はしないけれど実家の親が契約者となり、その人に近しい親戚(兄弟など)が連帯保証人となります。
しかし、そんな親や親戚の住まいが賃貸物件の近くでない場合には?
最近は交通や通信システムが発達しているためか、例え連帯保証人が遠方に住んでいるのであっても問題なく契約できますが、一昔前はそうではなかったようです。
せめて親戚が近くにいるなら良いのですが、そうでない場合は勤務先の上司に頼むパターンも多かったそう。
しかし、上記のように連帯保証人とは数々の責任を負わなくてはならないもの。
肉親でもなければ親戚でもない赤の他人のために、何が起こるか判らない連帯保証人になんてなるもんじゃない・・・という考えが、この賃貸契約にもあるようです。
ウィークリー・マンスリーマンションを除けば、大抵の賃貸物件は契約期間を2年間と定められています。
入居の際に先2年間を約束する費用を支払い、2年後にその先も住み続けるのであれば、また書類を記入して更新費を支払わなくてはなりません。
ただ、最初の契約時に必要情報は知らせてあるので、更新の際の書類とは言っても更新するか否かの是非を記入するだけのようなものですが。
賃貸物件にはこのような2年ごとの更新があるため、大抵はその機会に引っ越すかどうかを選択します。
更新案内の書類は更新日より1カ月前には届きますので、そのときに現在の賃貸に住み続けるか、それとももっと良い賃貸物件を探すか考えるのですね。
だからといって、更新したからにはその先2年間は住み続けなくてはいけない、というわけではありません。
引っ越しの事情はいろいろとあるものですから、更新から1年しか経っていなくても退去は可能です。
その場合、家賃の支払いも退去日までの分のみ。
更新日までの残り1年分を支払う必要はありませんので、ご心配なく。
ただ、先2年分として支払った更新費は、例え半分だろうと戻りません。
筆者の知り合いには、賃貸暮らしを始めて5年間のうち更新日に合わせて二回引っ越した人と、更新して僅か1ヵ月後に急用で実家に戻った人がいます。
前者は自分に合ったよりよい住まいを求めて。
後者は急用であれば致し方なかったのでしょうが、更新費の分少しもったいない気もしますね。
とある賃貸情報サイトで、実際に賃貸契約をしている方々に部屋の条件についてアンケートが取られていました。
賃貸契約の決め手となった条件のいくつかについて、少々意見を述べてみましょう。
第1位 家賃
これは当然の結果といえますね。
先立つものが無くては何も始まりませんし、金銭関係で苦労をしたい人なんていません。
第2位 街
最寄駅の路線などのことです。
こと都会となると主な交通手段は電車になるため、職場などへの移動がどれだけスムーズにできるかということが重要視されます。
第3位 最寄駅からの距離
駅に近いと家賃が高いし、かといって遠すぎると通勤・通学が大変・・・これも毎日の行動に関係することのため、重視される傾向にあります。
第2位と第3位がともに交通立地に関する条件ですね。
第4位 間取り
この場合、部屋の面積は関係なくワンルームか1Kか、それとも1DKや2Kかといったことになります。
賃貸部屋をどう使うかといったところでしょうか。
第5位 通勤・通学時間
こちらは上記の街や距離とも大きく関係していることですね。
第6位 周辺環境
建物がある周辺の環境というものは意外と重要です。
閑静な住宅街か商店街かというだけでも、買い物の便や騒音に関して違いが出ます。
また、治安も考えると、周辺環境は疎かに出来ませんね。
意外だったのが、セキュリティの順位が選択肢の中では最も低かったことです。
男性は低く女性は高いというのは予想どおりなのですが、治安が悪くなりつつある日本においても、全体的にはあまり重視されていない傾向にあるのですね。
賃貸契約とは、言わば不動産会社や大家さんと信頼関係を結ぶこととも言えます。
選んだ物件に入居してこれから暮らしていく。
その場限りの付き合いではないので、互いに信用し合っていなくては快適な生活なんて送れません。
しかし、不動産会社や大家さんに対して良くないイメージを抱いている方もいらっしゃることでしょう。
無理矢理賃貸契約を迫られたとか、家賃の取り立てが悪質だとか・・・
ニュースやドキュメンタリー番組だと悪い例ばかりが流されるため、このようなイメージが植え付けられてしまっても仕方ないとは思いますが、このような悪い例以上に良い例はたくさんあるのです。
といいますか、このような悪質業者はほんの一握り。
大抵は親切に対応してくれますのでご安心ください。
ただ、信頼関係を築くためには、契約者の皆さんもそれなりの対応をしなくてはなりません。
例えば不動産会社へ賃貸物件を紹介してもらいに行くときの服装ですが、あまりにラフすぎると「この先家賃をしっかりと払ってくれるのだろうか・・・?」と懸念される怖れがあります。
何も、正装していかなくてはならないわけではありません。
ジーンズにTシャツ・パーカーでも問題はないのです。
ただ、社会対応能力が有りそうかどうかが、ポイントとなります。
悪質な不動産会社を避けたいのであれば、お勧めなのは大手不動産会社よりも地域密着型の中小不動産会社。
大手は紹介してくれる物件の数は多いのですが、客が多いため一人一人に対する対応が疎かになりがち。
対し、地域密着型の場合は個人経営に近いため親身に対応してくれます。
賃貸契約の解約(賃貸物件からの退去)の方法は、賃貸契約やその更新よりも簡単になっています。
その流れを説明すると・・・
退去する日(引っ越しの日)が決まったら、その日を不動産会社等に知らせる。
↓
水道・ガス・電気の使用停止をそれぞれ管轄の局に連絡する。
↓
引っ越し当日、不動産会社等の立ち合い。
↓
後日、現状回復費についての連絡と支払い
・・・ざっとこんなところでしょうか。
契約内容の確認や審査が必要だった賃貸契約とは大違いですね。
水道・ガス・電気の使用停止については、それぞれ入居者が自分で行わなくてはなりません。
引っ越し日を知らせたときに、その旨についても述べられるでしょう。
連絡方法は利用明細書等に載っている電話番号に連絡し、この場合も引っ越し日を伝えるだけです。
引っ越し当日の立ち合いは、部屋に汚れや傷が無いか、忘れ物は無いか等の確認です。
また、このときに部屋の鍵や宅配ボックスのカードなども返却します。
知り合いの話ですが、引っ越し日がたまたま不動産会社の定休日だったため、忘れ物の確認は自分で行い、鍵は郵便受けに入れておくよう指示があったそうです。
ブレーカーを落とすのを忘れていたそうですが、それについては後日不動産会社に電話して知らせておいたとか。
不動産会社等の立ち合いが無い場合もありますので、その場合はこの知り合いのように自己責任の元確認を行わなくてはなりません。
この他、保険の解約も各自で行わなくてはならない場合があります。
保険の解約はただ連絡すれば良いというものではなく、契約時の書類が必要になりますので、引っ越し作業中に失くしてしまわないようお気をつけください。
賃貸物件に住み続けるには、2年ごとに契約の更新手続きを行わなくてはなりません。
更新時に必要なものは、各種書類と更新費用などです。
また、契約内容も再度確認し、その上で押印しなくてはならないのですが、入居時の賃貸契約の際とは内容が変更されている場合があるようなので、お気を付け下さい。
入居時に確認してはいても、更新ごとの再度の確認は必須です。
もし内容が理解・納得できない場合には、しっかりと話合わなくてはなりません。
賃貸契約更新の流れですが、契約満了(入居から、もしくは前の更新から2年後)の数ヶ月前に不動産会社や大家さんから、各種書類が入った通知書が届きます。
それに同封されている案内書のとおりに手続きを行うのですが、通常は書類に記入して指定の宛先に送付し、費用は指定口座に振り込むことになるでしょう。
書類を送付するのではなく、直接赴いて更新するパターンもあります。
案内書には更新手続きの期日が記されていますので、お忘れのないようご注意ください。
更新ではなく解約するつもりでも相応の手続きが必要になります。
もし契約満了が近づいてきているにも関わらず通知書が届かないのであれば、自ら不動産会社等に問い合わせるようにしましょう。
通知書が届かないのを、更新費用を払わずに済むからラッキー、などとは思わないように。
こんなことは決してラッキーなことではありません。
その賃貸物件に住み続けられるかどうかが左右されることなのですからね。
契約更新の際に必要な費用は・・・
1、更新料・・・家賃の1~2ヶ月分です。もし家賃が変更となる場合は新しい家賃が基準となります。
2、手数料・・・入居時の手数料と同じ意味で、不動産会社に支払うものです。
3、火災保険料・・・賃貸契約同様、火災保険の契約も2年ごとの契約となっています。
賃貸契約書には特にこれと定められた書式・フォーマットはありません。
内容に大きな違いはありませんが、それぞれの不動産会社等で作成されているのが一般的な例です。
しかし、平成5年と20年近く前のことになりますが、「賃貸住宅標準契約書」という不動産の賃貸借に関する契約書のモデルが作成されました。
この「賃貸住宅標準契約書」を使用するようにと義務付けられているわけではありませんが、契約に関して起こり得る数々のトラブルを防ぐことが、この契約書の目的となっています。
居住者や借主はもちろんのこと、貸主にとっても合理化して経営していけるよう配慮がされています。
「賃貸住宅標準契約書」の注目したいポイントは次のとおり。
■賃料や契約期間、また物件の状況が一覧となっていて判りやすい。
■禁止事項、および制限内容を具体的に示される。
■賃料が確定するにいたった要素を具体的に表せる。
■退去時における敷金の扱いが明確。
■自然な損耗については、退去の際に修繕費を支払う必要がないことを明らかにする。
■ただし、借主の過失による損耗については修繕費が生じることも明記。
・・・などなど。
これほどまでしっかりと定められているだけに、義務となっていない点が実に惜しいですね。
「賃貸住宅標準契約書」を利用すれば、契約から退去までがスムーズに行えますし、なんといっても居住者・借主と貸主の間で、より強固な信頼関係が結ばれる可能性があります。
そのため、義務化とまではならなくとも、地方公共団体を始めとした不動産が関わるあらゆる業界に通達を行い、パンフレットを配布するなど「賃貸住宅標準契約書」の普及に努めているのです。
賃貸契約はお金が絡む契約なので、これをテキトーにしてしまうと少なからずトラブルが起こる可能性が出てきます。
トラブルで特に多いのが、何といっても敷金の返還について。
敷金は退去後に必要になるかもしれない部屋の修理・修繕費を契約時にあらかじめ預けておくもので、特別な修理・修繕の必要がなければ退去の際に全額返還されます。
入居者の過失ではない家具によるカーペットの凹みといった自然な摩耗や、退去の後に必ず行われるリフォームについては、敷金は充てられません。
・・・というのが通常ですが、それとは別に特約を設けている賃貸物件も中にはあります。
特約の内容は、例えば敷金とは別に「クリーニング代」なるものが請求されたり・・・
敷金が返還されないばかりか、それ以上に現状回復費を負担させられてしまうなんて、一般的に考えると納得がいかないことでしょう。
しかし、ただ納得できないからと拒もうとしても、契約書に書いてあると示されると渋々ながらも従うしかありません。
契約時にしっかりと確認しておかなかったあなたのミスとなります。
こういった特約等の解決策は、何よりも契約時にしっかりと確認し、理解しておくことです。
理解できても、納得できなければその旨を伝え、納得できるまで話し合わなくてはなりません。
また、入居直前に行っておきたいこととして、自分が入居する以前から付いていた破損や汚れはカメラに収めておくことをお勧めします。
自分が付けたキズじゃないのに、退去時に修繕費を要求されてはかないませんからね。
入居審査とは賃貸契約の流れのひとつで、選んだ物件に入居できるか審査してもらうことです。
審査材料となるのは、入居申込書といった提出書類全般。
審査・判断は、対象物件の大家さんを始めとして入居審査会社や家賃集金会社が行います。
もし各種書類に記入漏れがあると、例え些細なことでも審査が開始されないので、ご注意ください。
入居審査を受けるには連帯保証人の情報も必要となります。
連帯保証人となる人が不動産屋へ同行していれば、その場で書類に必要事項を記入できるのですが、大抵の場合は後日改めて記入済みの書類を持って不動産屋へ赴くことになるでしょう。
なるべく早く審査を済ませたい場合は、連帯保証人の勤務先や収入が判るもの(メモで構いません)を持って行ったり、連絡を取りながら申込書を記入できるようはからっておくと良いです。
審査結果は後日連絡され、特に問題がなければいよいよ賃貸契約となります。
その際、契約日や入居可能日などの確認が行われ、また契約に必要な書類とその送付期日が連絡されます。
重要な確認の多くがこのタイミングで交わされるので、忘れずにメモをとるようにしましょう。
ちなみに、入居審査は主に家賃や更新料が滞りなく支払えるかどうかの審査ですので、主な審査内容も勤務先への勤続年数や収入となります。
ただし審査内容に決まりはないので、大家さん独自の方法で判断される場合もあるようです。
とはいえ、過去に何らかの支払いを滞納していたなどの要因がない限り、審査に落ちるということは滅多にありません。